あおしま文庫

筆者が読んだり見たりした本、映画などについて論じる

政府側の「避難経路」に満ちた「給付型奨学金」

しばらく書評を書いてなかったが、今月になって、読むのに時間のかかっていたケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」をようやく読み終わった。そちらを紹介しようと準備をしていたのだが、新聞の一面がとんでもない記事だったのでこちらを取り上げる…

壊れやすい風景を記憶に

11月の末に長野の上諏訪に旅行に行ってきた。旅行目的を訊かれて、仕事ではなかったので観光と答えたものの、見に行ったのは諏訪湖遊覧船と高島城と諏訪五蔵のみ、後は温泉に入ってばかりだったが、なかなか面白い旅だった。高島城は築城の主の関係か、大…

知識と経験が感性を作る 再考:映画「この世界の片隅に」

不思議なものだ。感性、というと大げさかもしれないので、感じ方と言っておくことにするが、言葉よりも先に存在するもののように思えるのに、それは言語によって構成される部分も多い知識や経験に大きな影響を受けている。そのことを身をもって思い知らされ…

誰のために書いているのか 朝日新聞の社説に対して

私の家で購読しているのは、時々記事についての言及がある通り朝日新聞だ。好き嫌い以前に他の新聞を購読したことがないので、他紙の購読に切り替えるということはまず考えない。紙の質感だとか、テレビ欄のレイアウトに慣れきってしまっている。同じ朝日新…

編集は難しい 「この世界の片隅に」の映画を見て

前回、原作を取り上げた「この世界の片隅に」の映画を見てきた。平日の午後という時間帯を考えれば、かなり混んでいた方だと思う。以前「ニュースの真相」という映画を見た時にも同じように混んでいたことがあったが、客のほとんどがババア年配のご婦人方だ…

こうの史代「この世界の片隅に」と「夕凪の街、桜の国」

あまり意識していた訳ではないのだけれど、私はどちらかと言えば作者買いをする方で、中学・高校の頃は谷川流の本を集めていたし、大学生以降は森見登美彦の本を(単行本と文庫を別に数えなければ)全て買った。マンガだと、青池保子や久世番子、甲斐谷忍な…

宮崎駿エロオヤジ説を主張する

見に行くつもりだった「FAKE」も「A2」も結局、見に行かなかった。その代わり、10周年記念で上映されていた細田守監督作品のアニメ「時をかける少女」を(別の映画館へ)見に行った。先に原作を読んでおこうと思っていたのだが、夏文庫の山の下に埋もれて…

森達也「FAKE」

小説が二回続いた。おまけにどちらもカドフェスの対象商品の本だ。次は傾向を変えてライトノベルでも取り上げようかと思った。「Re:ゼロから始める異世界生活」や「血翼王亡命譚」は予想以上に面白かったのだ(ライトノベルを侮っていたからというのは多分に…

私は厳罰を望まない

本来、ここでは書評を中心に記事を書こうと思っていたので、時事問題はあまり取り上げないつもりでいた。しかし、大きな事件が起きてしまったこと、そして、それに対する世間の反応として不快なものが予想されるので、今回記事を書くことにする。多くの人の…

小説 君の名は。

どうせ書いても全く読まれないだろうと思っていた前回の記憶屋の書評だが、意外なことに、ほんの少しアクセスがあった。やはり、取り上げた作品が夏の文庫のフェアに登録されているからだろうか。勤務先の書店の売れ行きなどを見ていると、アニメ化の作品な…

記憶屋

最初に取り上げるとしたら、書評を書くきっかけになったこの作品しかないだろう。 記憶屋 (角川ホラー文庫) 作者: 織守きょうや 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2015/10/24 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 読もうと思ったき…

あおしま文庫開設

日記、というものと相性が悪い。 毎日、書かなければならないというのが駄目なのだろう。一行書くだけのようなものでもやってみようと思ったが途中で投げ出してしまった人間だ。到底、続くとは思えない。 それでも始めてみようと思った。何か、書いてみよう…